あおぽんといっしょ

貯蓄から資産形成へのステップアップガイド

1-81. ウエストパック銀行(WBK)の配当は本当に二重課税がない高配当ADRなのか?


こんばんは、あおぽんです。

 

先日公開させていただいた記事、「 1-79. フリーター、米国株を買う。」は読んでいただけましたでしょうか?おかげさまで、「あおぽんといっしょ」で1番アクセスいただいている記事になっています。

 

この場を借りて、御礼申し上げます🙇‍♂️

 

 

今回は ADR の配当と税金に焦点を当てて記事にしておりますので、併せて読んでいただけますと幸いです🤗

 

www.aopon.net

 

 

 

 

  Contents  ▼ ADR(American Depositary Receipt/米国預託証券)とは?
▼ ADR の配当に掛かる税金の仕組みを利用した米国株購入における節税方法
▼ ウエストパック銀行(WBK)の配当は本当に二重課税がない高配当ADRなのか?
▼ まとめ

 

 

1. ADR(American Depositary Receipt/米国預託証券)とは?

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「ADR」については、「1-79. フリーター、米国株を買う。」の記事内の「米国株購入における節税方法」でも、軽く触れさせていただいておりますが、初めての方もいるかと思うので改めて。

 

 

 

米国の「ADR」は、「米国以外の国で発行された株式を裏付けとして預託銀行によって発行され、米国証券取引所に上場している預託証券」になります。

 

 

 

なので、本当は米国株とは言えないかもしれませんが、米国株同様に米国証券取引所で取引ができて、購入すれば、実質的な株主にもなることができます。

 

つまり、ADR を購入すれば、米国以外の高配当銘柄の配当を手にすることが可能なんです‼️

 

 

 

2. ADR の配当に掛かる税金の仕組みを利用した米国株購入における節税方法

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米国株をやっている人は、なぜ ADR を購入している人がこんなにも多いのでしょうか?

 

米国株同様に、今後成長が見込める企業、減配がない、増配が続いている、高配当の銘柄があるという理由もあるでしょうが、今回は税金に焦点を当ててみたいと思います。

 

図があった方がわかりやすいので、下の図を楽天証券さんから拝借しております🙇‍♂️

 

こちらの図は、企業 B の ADR を所有している A さん(あなた)が、米国以外(インド)の企業 B 社の配当金を受け取るまでのフローを図式化したものです。

 

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*楽天証券のホームページより 

 

この(ADR)の場合、「米国では配当に対して課税されません」が、「配当が支払われる国(図ではインド)で源泉徴収される」ことになります。

  

受け取る配当に対しは、日本でも課税されることになりますが、日本と配当を支払う企業の国(図ではインド)が租税条約を結んでいれば、「外国税額控除」の制度を利用することが可能となります。

*日本は主要先進国に加え中国、ブラジル、インド、ロシアなど54カ国と租税条約を結んでいます。

 

 

何でしょう❓ この違和感は‼️

 

 

誤解がないように、楽天証券さんの説明をもう一度確認してみます。

 

 

配当課税については米国では非課税となるものの、配当が支払われる本国での課税分が源泉徴収されます。(税率は現地の税法による)日本の投資家の場合については、ADRにより配当として米国で支払われた額から、さらに日本国内での配当課税の支払いを求められますが、日本と配当を支払う企業の本国が租税条約を結んでいれば、原則として確定申告を通じ二重課税を回避することができます。

 

*楽天証券のホームページより引用 

 

 

 

 

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ギョエー‼️「確定申告を通じ二重課税を回避」だって?

 

 

 

びっくりですよね?

 

 

この話にはまだ続きがあります、ご安心を😁

 

 

 

ADR を購入されている諸先輩のブログを拝見させていただくと、「英国」、「オーストラリア」、「インド」、「ブラジル」等の企業の ADR は配当の源泉税率は0%、つまり現地で源泉徴収されないという情報がたくさんあるじゃないですか😁

 

なるほど、これが本当であれば、ADR は米国株の配当金に掛かる税金10%も徴収されないはずなので、日本で課税される「20.315%」だけということになるわけか🤔

 

源泉税率0%の国のADR を利用する利用で配当に掛かる二重課税を回避することができるというわけですね‼️

 

配当金の不労所得を少しでも増やしたいあおぽんには、夢のようなシステムです‼️

 

ADR として配当利回りが良いとされている銘柄である英国のグラクソスミスクライン(GSK)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)、オーストラリアのウエストパック銀行(WBK)あたりをあおぽんの投資先として検討しておりました。

 

 

  

3. ウエストパック銀行(WBK)の配当は本当に二重課税がない高配当ADRなのか?

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さて、いよいよ本記事の本題です。

 

 

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ADR の銘柄として、ウエストパック銀行(WBK)を購入されている方のブログを多く目にすることができます。あおぽんも WBK の購入を検討していた一人です。

 

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* WBK:New York 株価 - ウエストパック銀行 - Bloomberg Markets

 

 

ADR の配当について色々調べている中で、出てきた疑問が、今回の記事のタイトル「ウエストパック銀行(WBK)の配当は本当に二重課税がない高配当ADRなのか?」です。

気になる記述は、その名も「Dividend.com」というサイトの記事にありました。

 

Dividend.com の情報

「Foreign Dividends: Tax Rates, Largest Payers, ADRs and ETFs」という記事の中で、

 

 

some countries, like the U.K., India, and Argentina, do not tax dividends paid to U.S. residents at all.

 

 *Dividend.comより引用

 

という記述がありました。英国(U.K.)、インド、アルゼンチンなどの一部の国では、米国居住者に対して支払われる配当に税金は掛からないとあります。

 

そうそう、一部の国のADR は配当の源泉税率は0%でしたね。

 

じゃぁ、オーストラリアはというと、「Foreign Tax Withholding on Dividends」に30%という記載がありました。

 

えっ、30%の源泉徴収?

 

 

 Foreign Dividends: Tax Rates, Largest Payers, ADRs and ETFs」という記事内には、こんな記述もありました。

 

 

Many countries will tax dividends paid out to foreign investors at a higher rate. 

 

 *Dividend.comより引用 

 

 

 

「オーストラリア」の ADR の配当の源泉税率が0%というのは、本当なのでしょうか?情報ソースはどこにあるのでしょうか?

 

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オーストラリアのウエストパック銀行(WBK)、オーストラリアとの情報をいろいろ調査してみましたが、個人ブログ以外では、「税金が掛からない」という情報を確認することができません😥

 

日本と豪州(オーストラリア)間における取り決め

情報ソースとして、 日本貿易振興機構(ジェトロ)を挙げているサイトがありましたので、確認をしてみましたが、残念ながら、配当に税金が掛からないという情報を確認することはできませんでした😥

 

・日本貿易振興機構(ジェトロ)の「オーストラリアの税制

・財務省の「日・豪新租税条約について

 

日本と豪州(オーストラリア)間の情報を確認をしていて思ったのですが、ADR(American Depositary Receipt/米国預託証券)の配当に関わる租税条約というのは、配当を支払う企業の国(豪州)と配当が支払われる米国(アメリカ)にはならないでしょうか?

 

 

ウエストパック銀行(WBK)のホームページ

ウエストパック銀行(WBK)のホームページでも確認してみます。「American depositary receipts (ADR)」の配当に関する情報はありましたが、ダメでした。こちらでも税金が掛からないという情報は確認できませんでした😥😥

 

 

・ADR dividends are based on the 'entitlement' as ordinary shares

・Westpac advises the depositary bank of the intention to pay a dividend and the date that it will be paid

・The depositary bank announces to the market the ADR pay date, which is the date it will calculate and distribute the US dollar equivalent of the Westpac dividend

・On the ADR pay date, The Bank of New York Mellon funds the Depositary Trust Company (DTC) and sends cheques to registered holders.

  

* Westpacのホームページより引用

 

 

 

 

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もう無理っす、、、

と、あおぽんが諦めていたところに「スノーボール」さんが書かれている「豪州株のADR銘柄のWBKは配当金に対する現地課税がないというのは誤りである可能性大」という記事を見つけました。

 

こちらでもオーストラリアの ADR の配当の源泉税率が0%という情報を疑問視されておりました。

 

背中を押された気分になり、もうちょっとだけ、調査してみたくなりました。

 

確認方法は、Bloomberg が提供している配当利回りの情報をニューヨーク証券取引所と現地オーストラリア証券取引所の情報を比較するというものです。 

 

本当に0%なのであれば、 配当利回りに差は出ないと想定したのです。では、見てみましょう‼️

 

 

Westpac Banking Corp WBK:US New York

こちらは4/20(日本時間)におけるニューヨーク証券取引所のウエストパック銀行の情報になります。

 

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WBK:New York 株価 - ウエストパック銀行 - Bloomberg Markets

 

直近配当利回り(税込)が6.94% となっていますね。

 

 

Westpac Banking Corp WBC:AU ASE

こちらは4/20(日本時間)におけオーストラリア証券取引所のウエストパック銀行の情報になります。

 

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WBC:ASE 株価 - ウエストパック銀行 - Bloomberg Markets

 

直近配当利回り(税込)が10.01% となっています。

10.01%?

 

ニューヨーク証券取引所の直近配当利回り(税込)は6.94%でしたね。配当利回りが大きく異なっていることがわかります。

 

その割合は

 

1ー6.94/10.01=0.3128

 

 

オーストラリアの配当に対して、 US の配当は31%もマイナスとなっていることがわかります。

 

これは 偶然なのでしょうか? 偶然にしては、「Dividend.com」の「Foreign Tax Withholding on Dividends」に記載されていた「30%」と近似過ぎる気がしております😲

 

 

 

これだけでは、この調査方法の「確からしさ」がわからないので、多くのブログで配当の源泉税率が0%と言われている他の国、英国の ADR も比較のために見ておきます。

 

英国の ADR は、「Dividend.com」の「Foreign Dividends: Tax Rates, Largest Payers, ADRs and ETFs」という記事で、米国居住者に対して支払われる配当に税金は掛からないとなっていましたね。

 

確認したのは、英国の ADR の代表的な銘柄である「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(British American Tobacco)」です。 

 

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ BTI:US NEW YORK

こちらは4/20(日本時間)におけるニューヨーク証券取引所のブリティッシュ・アメリカン・タバコの情報になります。

 

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BTI:New York 株価 - ブリティッシュ・アメリカン・タバコ - Bloomberg Markets

 

 

直近配当利回り(税込)が6.78 となっています。

 

 

 

ブリティッシュ・アメリカン・タバコ BATS:LN LONDON

こちらは4/20(日本時間)におけるロンドン証券取引所のブリティッシュ・アメリカン・タバコの情報になります。

 

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BATS:London 株価 - ブリティッシュ・アメリカン・タバコ - Bloomberg Markets



直近配当利回り(税込)が6.64 となっています。

先ほど同じように、どのくらい差があるか、計算してみます。

 

 

 

1ー6.78/6.64= −0.0210

 

 

ロンドンの配当に対して、 US の配当は2%増となっていることがわかりました。

 

 

4. まとめ

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オーストラリアのウエストパック銀行と英国のブリティッシュ・アメリカン・タバコは、どちらも配当の源泉税率が0%と言われている国、ADR の人気銘柄なわけですが、本国とニューヨーク証券取引所の配当利回りは、大きく差が出る形となりました。

*Bloomberg Market の情報が正しいと仮定しています。 

 

 

本国の取引市場に対するニューヨーク証券取引所の配当利回り比

 

・ウエストパック銀行:ー31%

・ブリティッシュ・アメリカン・タバコ:+2%

  

 

 

もちろん本国との株価の違いや為替によって、配当利回りが変わってくることは理解しておりますが、この差は大き過ぎませんかね? 

 

 

あおぽんの調査では、

 

1. ADRであれば、配当に対してアメリカでは課税されませんが、配当が支払われる国で源泉徴収される。(楽天証券

 

2. 日本と配当を支払う企業の国が租税条約を結んでいれば、「外国税額控除」の制度を利用できる(楽天証券

 

3. オーストラリアと日本との間で二国間租税条約を発効済み。(ジェトロ財務省

 

4. 英国、インド、アルゼンチンなどの一部の国では、米国居住者に対して支払われる配当に対する課税はないが、オーストラリアは30%源泉徴収される(Dividend.com

 

5. オーストラリア(豪州)の配当に対して、 US の配当は31%マイナス(Bloomberg

 

6. 英国の配当に対して、US の配当は2%プラス(Bloomberg

 

 

となりました。

 

申し訳ございませんが、公式*な情報ソースでは ADR であるオーストラリアのウエストパック銀行(WBK)を購入したとしても、配当に対して源泉徴収がないことを明らかにはできませんでした。

*ここではマネックス証券、楽天証券、ジェトロ、財務省、 Westpacのサイトを指しています。

 

 

明らかにはできなかったのですが、オーストラリアの企業の ADR の配当の源泉税率が0%という情報は疑わしい気がしております。

どちらにせよ、7%近い配当(日本での税引き前)は魅力なんですけどね😜

 

みなさんからの情報提供、お待ちしております‼️

 

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最後までご覧いただきまして、どうもありがとうございます。

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